WE LOVE LEATHER
     
   

Vol.003
皮革の種類

革の仕上げ方法による分類

皮革は原料皮の種類によって区分するほかに、

  1. なめし方法による分類
  2. 革の加工タイプによる分類
  3. 仕上げ方法による分類

・・・などがあります。

今回の「WE LOVE LEATHER」は、
『3.革の仕上げ方法による分類』についてお話しします。


 最近の製品の多品種化、ファッション化に伴い、革の仕上げも多様化してきています。仕上げによる分類は加工タイプ・その他の分類と重なる部分が多いのですが、革の最終表面の加工方法により区分されています。
 大きく分けると、革に艶ありか艶なしか、厚塗りか、素仕上げかなどがその代表となります。

素仕上げ革
 ほとんど仕上げ剤を使用せず、フエルトバフなどで艶を出したものです。

アニリン(仕上げ)革
 アニリン仕上げをし施した革です。革本来の繊細な銀面模様の特徴を生かすように鮮明な染色(顔料を含まない、主としてアニリン染料)と、透明感のあるタンパク系の仕上剤(バインダー)で仕上げます。
 表面がきめ細やかでソフトな感触を保ち、より革らしい味を持つ革で、傷の少ないカーフ(注1)、キッド(注2)、キップ(注3)などを使用し、人気のある甲革です。シミなど耐水性が弱いことが弱点です。セミアニリン革もあります。

顔料仕上げ(革)
 顔料を主に使用し、バインダーを含む塗料液で革を仕上げる方法です。銀面の傷を隠し、均質な着色ができるため、広く用いられています。グレージング仕上げと区別するため塗装仕上げと呼ばれます。

グレージング仕上げ(革)
 革の銀面に平滑性と光沢を与えることを目的に、めのう、ガラス、金属のローラーによって強い圧力を加えながら摩擦する仕上げ方法です。グレージングにしぼ付けを行ったのがボックス仕上げです。

オイル(アッパー)レザー
 非常にオイリー(油を豊富に含んだ感じ)なクロム革です。ウェスタン調カジュアルタイプの靴の甲革に用いられます。

アンティック仕上げ(革)
 不規則なむら模様など古代調の印象を与える色調の革です。ツートン仕上げアドバンティックなどがあります。

メタリック仕上げ(革)
 メタル調に仕上げた革です。

撥水加工(革)
 エコレザー(注4)と同様に、防水&撥水機能を備えたソフトレザーで、人気が高まっています。

To be continued...

注1)カーフ:生後約6ヶ月以内の小牛皮で、銀面と繊維質が最も細かく最上質のもの。 >>本文に戻る
注2)キッド:仔山羊皮で銀面の細かい最上質のもの。 >>本文に戻る
注3)キップ:生後約1年以内の小牛皮で、カーフよりやや厚手で上質皮。 >>本文に戻る
注4)エコレザー:クロム剤でなめしていない、環境や人にやさしい天然のタンニンで染めた革のこと。 >>本文に戻る

『皮革工業新聞』第884号より

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